コンサルタントコラム
Voice 104 リバースメンタリングで得る新たな視点
皆さんにはメンターがいらっしゃいますか?
そもそもメンターとは何でしょうか?
小学館デジタル大辞泉によると、【優れた指導者。助言者。恩師。顧問。信頼のおける相談相手】とあります。通常は、年長者や上位者がキャリアやビジネスの知恵を若手に伝授することが一般的でした。しかし、このところ、「リバースメンタリング」というワードが注目されるようになりました。
日本能率協会マネジメントセンター社によると、リバースメンタリングとは、【若手社員と先輩社員が立場を逆転し(=リバース)、若手社員がメンターとして、メンティーである先輩社員に助言を行う教育支援制度のこと】を指し、デジタルスキルや若い世代の価値観を教えることが主な内容となるとのこと。
デジタル技術の急速な進化や価値観の多様化が進む現代において、特にその重要性を増してきているようです。
では、なぜ「リバースメンタリング」なのでしょうか?
まず、デジタルスキルの向上です。デジタルマーケティングやAIの活用といった分野では、若手社員のほうが知識を持っている場合が多々あります。こうした分野で若手からのアドバイスを受けることで、経営幹部はより広い視野で経営判断を行うことができ、組織全体の競争力も向上します。
次に、新しい価値観の理解です。若手世代は、ミレニアル世代やZ世代と呼ばれ、従来の価値観や仕事の進め方とは異なるアプローチを持っていることもあります。リバースメンタリングを通じて、彼らの価値観や視点を理解することで、組織の柔軟性が高まり、より多様な人材を受け入れる基盤が整います。
また、リバースメンタリングは世代間の橋渡しとしての役割も果たします。年長者が若い世代の新しい視点を積極的に取り入れることで、個人としてもキャリアの成長に繋がります。特に、テクノロジーの進化が著しい現在において、こうした学びは欠かせません。
私自身、この仕事を始めた当初はお会いするのはほとんどが年上の方で、これまで大変多くのことを教えていただきました。
しかしながら、長く続けていると、相対的に年下の方とお会いする機会も増えたにも関わらず、彼らの価値観や視点を理解も不足しており、ふと年下の方から学ぶ機会が少なかったことに気づきました。このビジネスに携わるにあたり、年下の方々とのフラットな意見交換を通じて、時代の流れや新しい価値観を理解することが必要であると強く感じ、社内外問わず、知人に紹介をお願いし、積極的に関係構築をはかってきました。
このリバースメンタリングは、私のような仕事だけではなく、どの業界や職種においても有益と思います。目的を明確にし、メンターとメンティーの相性を重視し、定期的なフィードバックを行う等、ポイントはありますが、積極的に若手からの学びを受け入れることで、個人の成長のみならず、会社組織全体の発展にも貢献できるのではないでしょうか。
皆様も、若い方々からの学びを積極的に取り入れ、キャリアをさらに発展させてはいかがでしょうか。皆様の毎日がさらに充実したものとなりますように。
※ キャリアの話は、一人で考えるよりも、対話形式の方が思考を深めることができますので、
キャリア相談をご希望の経営幹部の方は、お気軽にお声かけください。