コンサルタントコラム
Voice 103 キャリアにおけるブリコラージュ
ブリコラージュとは?キャリアに柔軟さを
「ブリコラージュ」という言葉をご存知でしょうか。
これは、「構造主義」で知られるフランスの哲学者レヴィ=ストロースが著作『野生の思考』で提唱した概念です。
「いま、目の前にある素材や道具で何とかやりくりして必要なものを作る」という意味で、計画や設計とは対照的なアプローチを指します。
ビジネスの世界では、計画性や用意周到さが求められ、常に結果から逆算して物事を考えることが多々あります。
キャリアにおいても、キャリア設計やキャリア計画といった用語があるように、計画的な設計や構築が重要とされています。
しかし、それだけでは人生が窮屈に感じられたり、いまの自分の視点しか反映されていない限定的な計画になったりすることもあります。
そこで、以下の点を意識することが大切です。
・いま目の前にあることに真摯に向き合う(とりあえずやってみる)
・直観的に興味を惹かれることに挑戦する(急ぎではないが、気になることを試してみる)
日本社会のキャリアにおけるブリコラージュ
キャリアにおけるブリコラージュとは、「会社から言われてやってみたこと」や「興味があって学んだ知識」、「偶然出会った新しい交友関係」など
計画的に準備されたものではない要素(素材)の組み合わせによって柔軟にキャリアを変化させていくことです。
ジョブ型雇用が主流の海外とは異なり、日本社会ではメンバーシップ型雇用が多く、ブリコラージュの材料となる「素材」を集めやすい環境にあります。
・素材集めを楽しむ
・集めた素材をブリコラージュする機会を自ら作り出す
これらを意識していくことで、10年後、20年後の景色が今は想像もできないものになるかもしれません。
「いま」との向き合い方が変わることが、キャリアや人生に良い変化をもたらすきっかけになれば幸いです。