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コンサルタントコラム

Voice 22 離れて考える効果

インターウォーズのインキュベーションメソッドの一つに出島がある。長崎の出島になぞらえた弊社の社内に併設した部屋「インキュベーションルーム」である。

新規事業の立ち上げのために様々な企業から、起案者を一定期間検証のためにお預かりする。自社から離れた場で市場や、自社をいつもと異なる眼で見ながら自分の事業案を練る場だ。

ここに来られる方々は、「更なる検証をする目的」で企業から起案者をお預かりするケースが多いのだが、迎え入れる我々も正直自宅に招きいれて寝食を共にする同居のような、何事もオープンにせねばならなくなる密接な期間となる。

自社から離れる期間も3ヶ月程になることが多いのだが、その効果は絶大だ。

銀座で見晴も良い、という場所に環境が変わり、いつものメンバーや、意見出しする上司もいない、周りにいる人も変わる。

じっとしていても進まないので、自分から動き、情報を集め、想定顧客の声を聞く。
本人も次第に(これはいけそう!)(けっこう厳しいな)など様々なことが見えてくる。

我々も、彼等の想定顧客にヒアリングを行ったり、業界経験者へアドバイスをいただいたり、場合によっては競合相手から検証機会の場を作る等して、ミーティングを重ねていく。

同居するような密接なやり取りも効果がある。新規事業立ち上げには、時には心が折れそうなことが数多くあるが、そんな時に良く知った複数の相談相手がそばにいることが大切で、日常顔を見て声をかけられる密接な距離感が出島にはある。

焦りや疲れが見られる表情から、一定期間自分の案に向き合い、手ごたえや、行動による自信を持ち始めると、時間が経つにつれて、次第に起案者たちの顔つきも変わってくる。

そんな、事業が生まれる経緯、やる人の変化を出島では見ることができる。

インキュベーションディレクター
高田 亘