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コンサルタントコラム

Voice 32 新規事業にまつわる三つの問い

弊社では、企業様の様々な新規事業のお手伝いをさせていただき、また「イントレプレナー塾」という、企業内起業家育成プログラムも運営しております。

そんな中で、色々な事業案のご相談を頂くのですが、その際に私が切り口として持っている「三つの問い」がありまして、今日はそれを皆さまにシェアしたいと思います。

事業案に、その三つの問いをぶつけることで、事業案の課題や改善点が明確になってくると感じております。

以下、順に申し上げます。

1.時代性
時代性については、以前こちらのコラム(Voice.025 クレー射撃)で書かせていただきました。
いずれにしましても、未来のマーケットに合わせた事業案であることが重要だと考えており、その要素があるのか、という問いです。

2.ビジョン
ビジョンと記載しましたが、決して耳あたりの良い、理念的なことをイメージしている訳ではありません。新規事業を推進するためには、社内の協力者や、社外のパートナー、そして最終的には顧客を「動かして」いくことが必要になります。
そういった意味では、「人の心を動かす何か」と置き換えても良いかも知れません。

それが例えば、優れたプロダクトであったり、緻密な事業モデルであったり、起案者の情熱であったり、ということだと思います。それを「ビジョン」と表現していますが、さて、検討されている事業案のビジョンはどんなものでしょうか?

3.KSFの支配
KSFとは、「Key Success Factor」の略語で、事業を成功に導く、文字通り鍵になる要素です。
いろいろな事業案を考察していくと、テーマがどんどん突飛になっていき、「形は理解できるのが、なんとなく納得感やパンチが無い」アイデアになっていくことが良くあります。

そういう場合、大抵はその事業案のKSFを、自社が支配・提供できないケースが多いように感じています。

勿論、ある事業におけるKSFが何であるのか、というのは、それだけで多大な労力を要して探求すべき事柄ではあるのですが、例えば飲食事業に進出するのであれば、「安全で美味しい料理が提供できるのか?」だったり、BtoBビジネスならば「販売チャネル」であったり、BtoCビジネスであれば「ブランド」だったり、ということです。

「その事業案は、自社でKSFを支配できるのか」という要素が、推進していくためにはとても重要になりますし、ひいてはそれが、「自社の経営資源を活かす」ということに繋がると思っています。

さて、長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?新規事業への取り組みは、昨今ますます盛んになってきた印象がありますが、なんらかのご参考になれば、とても嬉しく思います。

コンサルタント
渡辺 大