コンサルタントコラム
Voice 78 コロナ禍のシニア転職に思う事
最近は「コロナで職を失い転職活動」という人よりも、「何となく不安なので転職を視野に転職サイトに登録してみました」という人が増えているように感じています。
オンラインでの面接や面談が広がったことで転職活動がしやすくなった人が増えていますが、選考のハードルは今までよりもだいぶ上がっている為、「何となく」の転職は難しくなっているので注意が必要です。
転職サイトではスカウトが集中する人と、そうでない人で差がありますが、特に55歳以上の人は顕著です。中には複数のスカウトを受けている人もいますが、そこには幾つかの共通項があり、以下の様な点が挙げられます。
・これまで在籍した企業で活躍してきている事がわかる
・所属した会社のブランドではなく「個」としての魅力があり、イチ担当者としても発揮できるスキルがあるようにみえる
・年収だけに拘らないようにみえる
誰もが知るような大企業の多くは、シニア層の社員数も多いため、あえて中途でシニア層を迎えたいというのは特殊な事情のみとなり、必然的にシニア転職の可能性が広がるのは中小・ベンチャー企業になりやすいです。
「大手企業ではない自社の環境に適応できるか否か?」を懸念する中小企業の経営者は多く、その印象をひっくり返せそうな材料がある人のみがスカウトを受けるという流れになります。
弊社ではコロナ禍の数か月間で、55歳以上の方、複数名のご縁をお作りさせて頂く事ができましたが、意思決定の決め手を伺うと以下の様な点を挙げていらっしゃいました。
・自身の得意領域を活かし、貢献できる事
・自分よりも若い経営者だが、コロナ禍の選考プロセスを通じ、従業員に対する姿勢や、自身との相性の良さを感じ、応援したいと感じる事
・最後の転職となるが、その先の人生にどこか繋がりそうである事
新しい職場での出会いは、65歳以上の過ごし方を変えるきっかけとなる可能性もあります。
目の前の提示年収や見栄などではなく、これまでの経験をどう活かすか、どんな人を仲間にするのか、自身の未来をどう創るか、自身の人生観を軸に転職活動に臨んで頂ければと思います。