library

ライブラリ-
TOP ライブラリー コンサルタントコラム Voice 80 環境を変えるリスク・変えないリスク

コンサルタントコラム

Voice 80 環境を変えるリスク・変えないリスク

皆様、新年明けましておめでとうございます。

去る2020年は、今も世界中に猛威をふるい続けている新型コロナウイルス『COVID-19』(以下、コロナ)により、皆様のビジネスにも、猛烈なインパクトがあったと思いますし、個人にとっても、自分自身の「価値観」にこれまで以上に向き合わざるを得ない大きな機会点になったのではないでしょうか。

2021年も、1月7日に一都三県に、1月13日には栃木・岐阜・愛知・京都・大阪・兵庫及び福岡に再び緊急事態宣言が発令され、コロナと共に迎える厳しいスタートとなりました。

コロナ以降、『「withコロナ」「afterコロナ」において最も必要な能力は何か?』という問いに、識者が「変化対応力」と答えているのを少なからず見受けます。

今回のコロナのように、未来のことは誰にもわからず、何が起こるかもわからない。
万人に共通する正解もない。

目まぐるしく進化・変化を続ける社会の中で、ビジネス環境も急激な変化の波にさらされ、業界間の壁は溶け、取り払われつつある。

そんな中、一人ひとりのビジネスマンに求められるものが進化・変化するのは必然で、「専門性」が重要な要素の一つであることに変わりはないものの、「変化対応力」がより強く求められるという意見にはとても納得感があります。

私は経営幹部の人材紹介という仕事に13年以上携わり、多くの経営幹部の皆様とキャリアに関する意見交換・転職の伴走をさせていただいてきました。

多くの方の大変重要な意志決定の機会に立ち会い、その後もお付き合いさせていただく中で、転職する・しないは別にしても、人生における大切な決断をする際の考え方に触れたり、経営幹部の参画がもたらす強烈なインパクトを数多く身近で見、体感させていただき、転職をお考えの方に、「転職の魅力」という形でお伝えしてきました。

一方、良い部分だけではなく、「転職には人それぞれタイミングがあること」「転職という選択が問題解決にならないこともあること」も感じてきた経験から、特に自己分析・キャリアの棚卸しが終わっていない方とは、「環境を変える(転職する)リスク」に関して、意識的に意見交換してきました。

しかしながら、特にこのコロナ以降、個人に益々「変化対応力」が求められることを考え、
上記に加えて、
 ・ コロナ禍で気づいた自分が本当に得たいものを得られない(得にくい)環境にいること
 ・ この環境下で変わらない(変われない)会社に居続けること
 ・ 業務的にも、人間的にも、慣れた現在の環境に安住していること
 ・ 環境を強制的に変えることで磨かれる「変化対応力」
 ・ 多少のリスクを冒してでも、チャレンジすることの価値

等、「環境を変えない(転職しない)リスク」についても、その方の価値観・現在の違和感に即した内容で意見交換させていただくようにしました。

その結果、色々と考え、行動した上で、敢えて、環境を変えず、今の環境で尽力し続けると決めた方もいらっしゃいますし、直近の年収を下げてでも、ご自身の価値観と照らし合わせ、QOL(Quality of Life)の向上・ご自身の未来価値を重視し、転職をすることを決断し、新天地で勝負している方もいらっしゃいます。

100%望み通りの転職はほとんどありませんし、キャリアに関しては、万人に共通する正解はありません。

「自分の人生」ですので、何よりもご自身の納得が第一です。

どのような選択が今の自分にとって最良の決断になるのか。

皆様がタイミングを逃すことなく、このコロナ禍を通じて、より明確になったであろうご自身の価値観を大切に、最も充実した人生を送るための行動を起こす一助になれば大変嬉しく思います。

一日も早く、落ち着いた日常が戻ることを心から願いつつ、この2021年をこれまでで最も実り多い年にできるよう、日々「湧く湧く」できる時間とチャレンジを重ねていきたいと思います。

本年も宜しくお願いいたします。

※ キャリアの話は、一人で考えるよりも、対話形式の方が思考を深めることができますので、キャリア相談をご希望の経営幹部の方は、お気軽にお声かけください。

シニアコンサルタント
抜田 誠司