コンサルタントコラム
Voice 83 テレワーク時代の人材育成法
テレワークが当たり前となった現在、部下とのコミュニケーションと育成方法に悩む上司の方々の声をよく耳にします。
同じオフィス内で同じ空気や温度感を感じながらの会話ができないことで「手ざわり感がない」「どこまで理解してくれているのかわからない」ひいては「自分の出す方針・指示」に共感してくれているのか自信が持てない」とのことです。
心当たりのある方には、私が恩師から教わった「君は星」原則をお伝えしたいと思います。
これは以下の5つの行動指針の頭文字を拾ったものです。
・き・・「聞いてあげる」
・み・・「見てあげる」
・わ・・「分かってあげる」
・ほ・・「ほめてあげる」
・し・・「叱ってあげる」
一見簡単なことの様に思えますが、この順番にも重要な意味があります。
「君は星」という言葉は英語でいえば You are star !と表現できます。これは「君はOOのスターになれる!」という最大限の期待を表す言葉になります。
このプロセスをきちんと踏んでコミュニケーションをすれば上司の期待感が部下の成長を大きく促し、自立して自ら環境適応し仕事に向き合い、結果的に質量ともに高い成果を出してくれる。こんなコミュニケーションスタイルにより部下は頼もしい人材に育ってくれるということです。
しかしながら日本語では犯人のことも「ホシ」とも表現します。
最悪なのはプロセスでの事実確認、その時の本人の思いを聞かずして、現象面からその行動や結果だけ見て意見をすることは「君は犯人」だと決めつけていることにもなりえます。
テレワークが中心になるとどうしても限られた時間の中で「部下の表情も読みづらい」とのことで
あえて雑談タイムを意識して定期的にとられている例も見られます。
人対人で考えれば当たり前のことが、部下と上司という関係を意識するがあまりに上司も常に自分は部下より優秀な存在でなければならないという固定概念が尚更このような関係性を助長している例も多いようです。
まずは人としてしっかり会話をし、本当の意味での信頼関係を構築すること。そのためには自ら元気で明るい挨拶を心がけること。依頼した仕事を担ってもらった人には必ず「ありがとう」という言葉を相手の目を見てすることではないでしょうか。
今や「仕事での人材育成」も「家庭での子育て」も「昔とった杵柄」ではうまくいかない状況が数多く発生しています。こんな時だからこそ人間関係の原点を大切にしたいと思う次第です。