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株式会社アイ・エム・ジェイ 代表取締役社長 廣田 武仁 氏
インタラクティブエージェンシーNo.1企業を目指して走り続ける株式会社アイ・エム・ジェイの廣田武仁社長にお話を伺いました。
96年にデジタルハリウッド株式会社のコンテンツ事業部が独立し、株式会社アイ・エム・ジェイが設立され、2001年にはナスダック・ジャパン市場(現・ヘラクレス市場)に上場。
メディアの勢力図が大きく変わっていく中で、PCに限らずケータイ、TV、ゲーム端末、カーナビなどマルチプラットフォームによるネットサービスをトータルでプロデュースしている業界TOP企業です。Webインテグレーション、モバイルインテグレーション、エンタテインメント、iマーケティングの、4つの事業領域を多角的に構成するグループ経営で従業員数は750人を超えています。
2009年4月に社長に就任された廣田社長に同社の今と未来についてお聞きしました。
株式会社アイ・エム・ジェイ
代表取締役社長 廣田 武仁 氏
1987年4月 株式会社リクルート
2001年9月 株式会社アイ・エム・ジェイ 管理本部長を経て執行役員
2009年4月 株式会社アイ・エム・ジェイ 代表取締役社長
2009年6月 株式会社IMJモバイル取締役会長
インターウォーズ株式会社
一人ひとりが人生のCEOとして生きる社会を実現する
人と企業のインキュベーター
インターウォーズ(以下、IW):デジタルハリウッド株式会社から独立して現在まで、貴社が成長した要因は何でしょうか。
廣田 武仁 氏(以下、廣田):インターネットが普及するにつれてデバイスが増えたこと、通信速度が飛躍的に伸びていったこと、この2つの環境の変化がとても大きいと考えています。1996年にデジタルハリウッド株式会社のコンテンツ事業部が独立してIMJとなりましたが、この12,3年で色々な変化がありました。独立当初はインターネットというものが世間に浸透していなかったので、どの企業も「とりあえず会社案内のパンフレットをネット上に載せてみようか。」という程度でしたから。
デバイスが増え、通信速度が速くなったおかげでインターネットの可能性が広がり、マーケティングの中心的存在へと発展しました。現在は、まさに「ネットマーケティングの真価が問われる時代」だと感じています。
IW:廣田社長は2005年3月にIMJモバイル社の代表取締役に就任されていますが、携帯電話というデバイスに特化した「IMJモバイル」社を立ち上げた背景を教えて下さい。
廣田:デバイスはこれからもっと増えていくだろうと前代表の樫野とも話していたことがきっかけです。デバイスの最適な、有効的な使い方というのはその時々の目的によって変わってくると思います。「PCだけ」や「モバイルだけ」ではなく、間違いなくマルチデバイスの時代になるであろうと考えました。そのためにはモバイルというデバイスに特化した事業も展開しておく必要がありました。
しかし、IMJはPCWebを中心とした事業を展開していたため、モバイル事業に参入したのが少し遅く、2004年から本格的にスタートしました。その当時は公式コンテンツビジネスが盛んな時期でしたからね。モバイルもWebと同じくらいの事業規模にするべく、異なる強みをもつ3社を合併したモバイル事業の強化に専念しました。
IW:廣田社長が今回(2009年4月)にIMJの代表に就任されましたが、IMJモバイル社の会長を廣田社長がご兼務されているポイントはどこにあるのでしょうか。
廣田:マーケティングが進化していき、今後、マルチデバイスが主流となっていく中で、如何に早く融合してベストソリューション(最適なマーケティング)をご提案・ご提供できるようになるかが重要であり、そのためには、IMJグループ全体での協力や情報共有が必要不可欠です。
まずは、連携を図りやすくするために、今年の4月から経営層をはじめ、グループ内での人財(人材)の配置を最適化し、必要に応じて兼務もしています。年末には、日々の業務レベルも融合するため、今まで6拠点に点在していたオフィスを1拠点に集約するなど、本格的に取り組んでいます。
IW:3年後5年後の貴社の未来像をどうお考えでしょうか。
廣田:今は、マーケティングの中でインターネットの占める割合が高くなってきている変換期であり、今後は、それがもっと加速すると考えています。今「変わってきているもの」は3,4年後には「当たり前のもの」になっているはずです。その中でIMJは、常に「インターネット」に軸足を置き、オンラインマーケティング活動を成功に導くため、ただWeb&モバイルサイトを構築するだけでなく、集客施策からデータの分析・実行・検証などサイトの最適化まで、マーケティングROIを最大化する役割をしっかりと果たしていく会社でありたいと思っています。
IW:貴社はエンタテインメント領域で、映画制作もされています。一般的に難しい領域と言われるエンタテインメント事業をあえて始めた理由は何でしょうか?また、今後はどのように展開していかれるのでしょうか?
廣田:エンタテインメント事業を始めた理由は、二つあります。
まず一つ目は、社員のモチベーションUPにつながると思います。自社が華やかなエンタテインメント事業を手掛けているのは嬉しいことですし、何しろ私自身がミーハーですからね(笑)。また、エンタテインメント事業を通して、企業の認知・知名度UPとして社外への良いPRになっているとも考えています。このことは、採用上にも良い影響が出ているのではないでしょうか。
二つ目として、「インターネットの可能性」は無限に広がると考えています。その中で「インターネットに接続可能なデバイスには全て対応でき、上質のエンタテインメントコンテンツも持っている」ことは、今後のIMJにとって強みとなります。
IW:色々お聞かせ頂き、ありがとうございます。ではここで、廣田社長ご自身についてもお聞きしたいと思います。IMJに移られた経緯を教えて下さい。
廣田:直接のきっかけは、当時IMJの代表取締役であった樫野に誘われたことです。2001年の春ごろでした。IMJは2001年9月にナスダック・ジャパン市場(現ヘラクレス市場)に上場する予定でしたが、最初は、「管理本部長」ポジションで声がかりました。「上場」という一生に一度経験できるかどうかの貴重な機会だと思い、転職を決意しました。
IW:リクルート社で活躍されていた中での転職に、迷いはなかったのでしょうか。
廣田:多少の迷いはありましたね。当時のIMJは100名もいないくらいの小さい規模でしたし、事業内容に関してもそれほど精通していませんでした。何となく、「ネット」というものが今後伸びていくだろうという期待はありましたが、Webサイトを作るというビジネスが、今後どれだけ伸びるのか、将来性はあるのかなど、不安に思う気持ちもありました。
しかし、決め手になったのは大学在学中から考えていた「経営がしたい」という想いでした。
新卒で入社したリクルート時代は、目の前のことに精一杯で経営者になりたいという想いを忘れかけていたのですが、30歳前後になってふとそのことを思い出し、大学在学中からの想いを実現させるべく、IMJに飛び込んでみようと思いました。
IW:学生時代の想いを実現されたわけですが、今現在の廣田様の個人としての夢をお聞かせください。
廣田:まずは、樫野から引き継いだこの会社を、東証一部まで成長させたいですね!経営者としては、IMJ発信の新しいサービスを世に送り出し、世の中に定着する何かを提供できるような企業にしたいと思っています。時代を作り、その時代を超えて残ってゆく文化やDNAを持つ強い会社になることを目指しています。
IW:貴社に関心を持たれる方々へ向けて教えてほしいのですが、会社の雰囲気はどのような感じなのでしょうか。
永田:まずは社員構成ですが、3分の1が新卒で入社した若手です。平均年齢も29歳と若くて活気があります。IMJの社員は、それぞれがみんなで一緒にやっていこうという気持ちを持っているので、出身が異なる人たちの集まりであっても積極的に交流しています。分からないことがあれば気軽に聞ける環境ですね。
IW:雰囲気を良くするために、何か工夫されていることはありますか?
永田:中途入社の方が入りやすいような受け入れ態勢を取っていかないと、既存の社員との良い化学反応が起こらないと考えています。また、社員一人一人にIMJのことをしっかりと理解してもらうため、研修とオリエンテーションを入社時に実施しています。また、変化の早いIMJの情報をいち早く伝えるためにも、Web社内報を活用しています。コンセプトは「’つなげる’から’つながる’へ」。Webならではの即時更新性に加え、できるだけ社員の写真とメールアドレスを掲載し、社員が自発的にコミュニケーションをとれるよう心がけています。
また、経営陣からのメッセージだけでなく、サークル活動や手がけたプロジェクトの紹介などさまざまな楽しいコンテンツもあります。
昨年には運動会も行いました。当時入社5年目の社員が発案し、執行会に提案した企画です。社員から有志を集めて事務局を発足し、企画や場所、予算なども全て自分たちで取りまとめ、よみうりランドで開催しました。4チーム対抗で、結構盛り上がりましたよ!
IW:社員発案でイベントが行われるのはとても良いですね。
それでは、最後に今後貴社に転職で入られる方に向けてメッセージをお願いします。
永田:これからは、インターネットが世の中を劇的に変えていくと考えています。今後IMJに入る方達にはその変化に期待をして欲しいですね。そして、私たちとは違う業界からの経験や知恵を持って来ていただくことにとても期待をしています。「良い化学反応」を起こし新しいものを生み出して行くために、一緒に頑張ってくれる方に入っていただきたいですね!
IW:本日はありがとうございました。
自社がメディアとなり情報発信するという方向ではなく、クライアントの成長発展を支援するという軸をずらさずに、顧客が気づいていない要望を見つけ出し、提案することによって、今までにない価値を顧客と一緒に作り上げていくことにより自社をブランド化したいという夢をお話し頂きました。フランクでありながらも、丁寧にお話をされる廣田社長のお人柄からも、同社の雰囲気が伺えました。
同社の今後の展開に向けて、当社も今まで以上に応援させて頂きます。