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TOP ライブラリー クライアントインタビュー トップインタビュー 株式会社アイフリーク 代表取締役社長 永田 万里子 氏

トップインタビュー

株式会社アイフリーク 代表取締役社長 永田 万里子 氏

デコメのパイオニア的存在である、株式会社アイフリークの永田万里子社長にお話を伺いました。

コミュニケーションビジネスを刺激する文化創造者として新たなビジネスの創出を目指し、個々のスキル向上や組織のノウハウ蓄積に取り組んできた同社。中でも国内携帯電話におけるJavaやBREW等のアプリ導入やニーズを先取りしたモバイルコンテンツの開発~配信に対する評価も高く、モバイルの進化と共に同社の成長は加速しています。2000年6月に設立し、2007年03月にヘラクレス市場に上場させた、創業者の永田万里子社長に同社の今後についてお聞きしました。

株式会社アイフリーク

代表取締役社長 永田 万里子

「人々の想いが伝わる・繋がる・広がる」をキーワードに、世の中の日常に喜びと感動を提供すべく事業展開を行う事業家で、ウーマンオブザイヤーを受賞するなど、働く女性のロールモデルとして多方面で活躍しながら、創造的なコミュニケーションを生み出すべく精力的に活動している。

インターフォーズ株式会社

インターウォーズ株式会社

一人ひとりが人生のCEOとして生きる社会を実現する
人と企業のインキュベーター

インターウォーズ(以下、IWアイフリークと言えばデコメが有名ですが、最近のプレスリリースで様々な事業展開をお見かけします。現在の事業内容を教えてください。

永田 万里子 氏(以下、永田):当社の事業は、大きく分けて二つです。一つは携帯電話ユーザー向けに通信キャリアの公式サイトを通じてデコメを提供するモバイルコンテンツ事業。もう一つはEコマース事業。こちらは美容・健康に関する商品を中心とした小売及び卸売と、ギフトに特化したモバイルギフトサイトの運営を行っています。

デコメはクリスマスやお正月、誕生日といった記念日に特によく利用されます。これは「ギフトを贈りたい」という購買意欲をもったお客様との接点を持っているということです。このことからデコメと非常に相性のよいサービスとしてモバイルギフトサイトに力を入れていこうとしています。最近では、新たな展開として、SNSのmixi会員様向けにミクプレというギフトサービスのアプリ提供も開始しました。

また、Eコマース事業の一つの特徴として、オリジナル商品の開発も行なっています。当社は、BtoBとBtoCの両方の流れを掴んでおり、売れ筋の商品などの情報がいち早く集まってきます。
小売と卸売、シーンを演出するデコメとモバイルギフトサービスを組み合わせて、事業の成長に向けて頑張っているところです。

現在では、デコメの素材や商品を販売するだけのサイトになっていますが、ゆくゆくは、ちょっとした気持ちを気軽に伝える、物販ではないサービスを提供していきたいと考えています。何かを感じた時に気軽にデコメを送ることが文化になったら良いですね。
当社の理念は『人々の想いが伝わる・繋がる・広がる』です。人々の心を豊かにできるサービスを引き続き提供していきたいと思っています。

IW:起業されたきっかけや当時の想いはどのようなものだったのでしょうか?

永田:2000年に有限会社アイフリークとして発足しました。当時はモバイルに特化した事業体ではなく、インターネットに主軸を置いた受託やモバイルのオリジナルサイトを作っていました。モバイルに特化しようと決めたのは2004年くらいです。2004年にFOMA900iが発売され、当時の買い替え需要にマッチする事業として注目したものがデコメでした。

当時のデコメには表情がなく、利用者には目的と志向があるのに、その機会に対応していないと考えました。グリーティングカードのように、送る人が多種多様なシーンに合わせて選ぶことができるショップのような総合サイトを作ろうと思い、できたのが”デコメ★コレクション(現デココレ)”でした。その後、男性が使いやすいような”男のデコメ”や”デコリーマン”、女子中高生のトレンドに合わせた素材を取り揃えた”花のデコリ塾”、大人でも格好良く使える”らくらくデコメ”など、当社はデコメのパイオニアとして、その時々の需要に合わせてサイトを作ってきました。このような姿勢がユーザーに評価され、2007年の上場にもつながったのではないかと思っています。

IW現在の会員数はどのくらいになりますか。

永田モバイルコンテンツ事業とEコマース事業を合わせると、当社が携わっているサイトの全会員数は150万人(2009年9月末現在)を超えています。しかし、現状のユーザー動向調査をみても、実際にデコメを使っている人というのはまだまだ少ないですね。デコメのパイオニアとして市場の開拓を進めながら会員数を増加させていきたいと思っています。

IWたくさんのクリエーターさんがいらっしゃるとお聞きしました。

永田最初は数十人だったクリエーターが、今では6,600人(2009年9月末現在)を超えました。このクリエーターを組織化したウェブサイト「CREPOS(クリポス)」が、当社の素材制作におけるクリエイティブエンジンです。制作に関して協力会社へ依頼することもありますが、クリエイティブな部分は大事なところですので、自社で抱えるようにしています。「CREPOS」を活用することで様々なクリエイティブが提供でき、多様化するユーザーニーズに迅速に応えることができます。

IW有料課金モデルのビジネスは使い続けてもらう事が安定収益に繋がりますが、そのためにはどのような事をお考えでしょうか?

永田ユーザーは、素材の善し悪しを判断するだけではなく、新しい流行にも敏感です。また、競合他社による新規参入も多く、新しいサイトがどんどん誕生しています。
当社はパイオニアとして、他社よりも一歩先に新しいものを開拓し、当社ならではのサービスを提供していこうと思います。

最近では、テキストメールを簡単にデコメへ変換できる「デコメ変換システム」を開発しました。このシステムは、テキストのメールをサーバーに送るだけで、自動的に言葉を絵文字に変換し、鮮やかな絵文字付きのメールとして返送されてくるサービスです。日常で使うテキストメールの変換はもちろん、クリスマス、お正月などのイベントに合わせたデコメに変換します。便利な機能ですし、デコメ未経験者、絵文字付きメールの作成を面倒と思われる方にこのサービスを活用していただき、デコメ利用を促しながら、市場の拡大を図ります。そして、このシステムは、競合他社との差別化になるとも思っています。

IWデコメとECが現在の収益の主軸ですが、今後の展開の構想は如何でしょうか?

永田今後もモバイルコンテンツ事業とEコマース事業の2つを軸に展開していく予定です。モバイルコンテンツ事業に関しては、デコメの市場を広げる、差別化できるようなサービスを導入していきます。また、サイト制作のノウハウを活かし、音楽、占い等のサービス提供も視野に入れていきます。さらにデコメの世界展開として、各国の携帯電話事情も考慮に入れながら、当社の資産であるデコメ素材の提供を進めつつ、デコメ変換システムのノウハウも提供していきたいと考えています。

Eコマース事業に関しては、当社は卸売の機能を持っているので、その強みを活かしていきます。一般的に卸売は利益率が低いビジネスモデルと思われがちですが、そこで得られる情報を基にした展開は競争を有利にします。

また、オリジナル商品の販売にも効果があり、以前、他社様と共同で開発し販売した「ドレスラッシュ」というまつ毛溶液を大ヒットさせ、インターネット上だけではなく、リアルな店舗にも展開することができました。今後は、既存のビジネスの枠組み内だけではなく、更にオリジナル商品の開発にも力を入れていきます。

IW永田社長が経営において、大切にしていることはどんなことでしょうか?

永田『企業はヒト・モノ・カネ・情報』とよく言うように、それを組み合わせるバランスが大切だと思っています。例えば、当社のようにクリエイティブを重視しながら商品を開発する場合、クリエイティブに拘りすぎると、収益性が損なわれてしまう可能性があります。どれも大切な要素なので、拘りを持ちつつもそのバランス感覚を失わないようにしていかなくてはいけないと思っています。お客様に喜ばれるものという視点を大切に、ひとりひとりがプロとしてのバランスを身につけてほしいと思っています。

IW社長の夢をお聞かせください。

永田創業者として、自分の夢を実現させるために集まってきてくれた社員に対して、仕事の中で感動を与えられるような環境を提供していきたいと考えています。
私たちは、人に楽しんでもらう物を作っていますので、私たち自身も楽しんでこそ、お客様にも感動を与えられると考えています。その想いを伝えていくことが重要だと思っています。

IW社長の想いに共感されている方が集まってきているのだと思いますが、社風はどのようなものでしょうか?

永田元気で活気があり、フランクなイメージです。また当社の理念にもあるように、自らが創造者であるような、そういった人たちが集まってきております。

余談ですが、当社では社員の自己解放、社員同士の連帯感の向上等のために、年に一回、交互に福岡・東京に全社員を集め決起会をやっています。その場は、事業計画などの重要な事項について説明するとともに、普段なかなか顔を合わせて話ができない社員同士のコミュニケーションの場を提供することに主眼を置いています。

IW今後どういう人に来てほしいと思いますか?

永田当社は、経験値よりも社風に馴染むかどうかを大切にしています。
また当社が求める人材は、「自分が何をしてきたか」ではなく、「ここで何ができるか」が明確に見えている方です。もちろん、明るく、元気。エネルギーやパワーを持っていることが重要です。一緒に会社を盛り上げてくれる人や輝いている人と一人でも多く出会いたいと思っております。

IWこれから貴社に参画される方々へメッセージをお願いします。

永田当社は、まだまだ発展途上の企業ですが、コミュニケーションという、なくてはならないサービスを提供していると思っています。当社の理念に共感してくださる方、人に喜びと感動を提供したい気持ちをお持ちの方には、とても良いステージだと思っています。

IW本日はありがとうございました。

自社のビジネスを通して「想いや、気持ちを伝え、人々の心を豊かにしていきたい」とおっしゃられたのが印象的なインタビューでした。渋谷のマークシティに移転された直後だったこともあり、入口には様々な花が並んでいましたが、花の一つ一つが同社への感謝の証のように感じました。見晴らしの良い眺めのオフィスは開放的で、エネルギーある社員の方々が精力的にお仕事をされているところから、同社の勢いが伺えました。当社も今まで以上に応援させて頂きます。